「墓じまい 補助金」で検索すると、制度があるかのような記事がたくさん出てきます。
ただ、読んでいくと条件が細かく書いてあって、結局自分が使えるのかどうか分からない。
先に結論を書きます。補助金を出している自治体はごく一部で、しかも対象は公営墓地に限られます。 寺院の境内墓地や民営霊園は、基本的に対象外です。
墓じまいを検討している人の多くは寺院墓地なので、そもそも該当しないケースがほとんど、というのが実情です。
期待させてから落とすような書き方をしても仕方ないので、最初に書いておきました。

なぜ公営墓地だけなのか


補助の目的が、無縁墓を減らすことだからです。
管理されなくなった墓を自治体が処理するには、縁故者の調査、官報への公告、一年間の公告期間、そのうえで撤去工事。かなりの手間と費用がかかります。
それなら、使わなくなった区画を早めに返してもらったほうが安上がりで、次の人に貸せる。
つまりこれは、利用者の費用を助けるための制度ではなく、自治体が自分の墓地を管理しやすくするための制度なんですね。
だから対象は自治体が運営する墓地に限られる。寺や民間の霊園は自治体の管理外なので、補助の理由がありません。
代表的な制度
実施している自治体は全国で10前後とされています。代表的なものを挙げます。
現金の給付ではありません。承継者がいない使用者が、いま使っている一般墓地を返還して都立霊園の合葬埋蔵施設へ改葬する場合に、その施設の使用料が免除されるという仕組みです。多磨霊園、小平霊園、八柱霊園などが対象。
新しい納骨先の費用がかからなくなる効果は大きいですが、墓石の解体・撤去費用は自己負担です。ここは誤解されやすい部分。
市営霊園の一般墓地を返還する際、墓石撤去と原状回復の費用が助成されます。芝生墓地と一般墓地で限度額が異なり、区画の大きさによっても変わります。墓地使用料の一部返還や、合葬式墓地の特例許可といった制度も併せて設けられています。
市営の公園墓地で、墓石の解体・撤去工事費に対して上限20万円の助成があります。
このほか、岐阜市、泉大津市、岸和田市、水戸市などで、墓地使用料の還付や返還協力金といった制度が設けられています。
ただし、こうした制度は年度ごとに見直されます。 予算の上限に達した時点で終了するものもあれば、期間が終了して廃止されたものもある。
ここに挙げた内容も、いま現在どうなっているかは各自治体に確認してください。
該当するか確認する方法
条件はおおむね共通しています。
市営、町営、都立など。ここで大半の人がふるい落とされます。まず自分の墓が誰の運営かを確認してください。
自分が住んでいる自治体ではありません。ここは改葬許可の申請と同じ考え方です。
新しい納骨先の費用は対象外のことが多い。
年度予算で運用されているので、枠が埋まると受付終了。年度の早い時期のほうが通りやすいとされています。
撤去してから申請しても認められないことがあります。
確認の仕方は単純で、墓のある市区町村に電話して「墓地の返還に関する助成制度はありますか」と聞くだけです。



期待しないほうがいい理由


正直に書くと、補助金を当てにして計画を立てるのはおすすめしません。
まず、該当する確率が低い。公営墓地であることが前提なので、寺院墓地の人は最初から対象外です。
次に、金額が総額に対して小さい。補助額は5万〜30万円程度で、墓じまいの総費用の1〜3割を軽減する程度。
あれば助かりますが、これで決断が変わるほどの額ではありません。
そして、制度を探す時間と手間を考えると、移転先の組み立てを工夫するほうが効果が大きい。
永代供養は一柱いくらの料金体系なので、遺骨の数が多い家庭では、ここの選び方で数十万円単位で変わってきます。補助金を探すより、そちらに時間を使ったほうが合理的です。
補助金以外に使えるもの
制度としての補助はなくても、費用を下げる方法はあります。
補助金とは別に、返還時に使用料の一部が戻る制度を設けている自治体があります。使用期間によって還付率が変わるのが一般的です。
すべての遺骨を同じ扱いにする必要はありません。古い世代は合祀、直近は個別といった組み合わせで総額が変わります。
撤去工事は業者によって金額に差が出ます。ただし指定石材店がある墓地では取れません。
一括が難しい場合、分割やローンに対応している事業者もあります。
我が家の場合
うちの墓は二か所とも寺院墓地なので、この制度の話は最初から関係ありません。
記事を書くために調べていて、正直なところ「やっぱりそうか」という感想でした。補助金という言葉を見ると期待してしまいますが、実際に該当する人はかなり限られる。
うちの場合、費用を抑えるとしたら移転先の組み立てを考えるしかない。遺骨が何柱あるか分からない状態なので、まずそこの確認からですが。
墓じまいの補助金は、あるにはあります。ただ、公営墓地の使用者で、実施している自治体で、予算枠が残っている場合に限られる。この三つが揃う人はそう多くありません。
該当しそうなら確認する価値はありますが、費用計画の前提にはしないほうがいいと思います。確認は電話一本で済むので、改葬許可の問い合わせのついでに聞いてみてください。
なお、制度の有無や内容、金額は自治体によって異なり、年度ごとに変更されます。最新の情報は必ず墓のある自治体にご確認ください。




