墓じまいの期間はどのくらい?工程ごとの日数と、遠方だと何回帰ることになるか

墓じまいを検討し始めたとき、費用の次に気になるのが期間だと思います。仕事を休んで帰省する必要があるなら、なおさら。

一般的には2〜3か月というのが目安です。

ただこの数字、書類と工事だけを数えた期間なんですよね。実際には家族の話し合いや寺との調整が入るので、半年以上かかることも珍しくありません。

この記事では、工程ごとに何日かかるのかを分解して、遠方に住んでいる場合に何回帰ることになるのかまで整理します。

目次

全体の目安は3〜6か月

順調にいけば2〜3か月。家族の合意や寺との調整に時間がかかれば6か月以上。短ければ1か月で終わる家庭もあれば、数年かかることもあります。

この幅は、行政手続きの遅さから来るものではありません。

手続き自体は驚くほど早いんです。時間を食うのは、その手前と、日程の調整。

工程ごとの所要時間

家族・親族の話し合い — 数週間〜数年

ここが最も読めません。反対する人がいれば数か月、価値観の違いが大きければ年単位になることもあります。

先祖代々の墓だと相談すべき親族が多く、一度で話がまとまらない。

普段連絡を取っていない親族がいると、そもそも連絡を取るところから始まります。

この期間は圧縮できません。

逆に言えば、早く始めるほど全体が短くなる部分でもあります。

移転先を決める — 1〜3か月

永代供養、樹木葬、納骨堂、散骨。選択肢を比較して、見学して、契約する。資料請求から契約まで、余裕を持つなら2か月程度を見ておきたいところです。

ここが決まらないと受入証明書が出ず、行政手続きに進めません。

全工程の中で、実質的なスタートラインがここです。

寺・霊園への申し出 — 数週間

離檀の申し出と、埋蔵証明への署名依頼。

話がスムーズなら1回の訪問で済みますが、住職の都合もあるので日程調整に時間がかかります。

離檀料で話がまとまらない場合、ここが長引く要因になります。

改葬許可の申請 — 数日〜1か月

書類が揃っていれば、窓口で即日発行される自治体もあります。郵送申請なら往復の日数が加わって1〜2週間。審査自体は1か月以内には完了します。

つまり、役所の手続きは全体の中で最も速い部分です。ここを心配する必要はほとんどありません。

石材店の手配と工期 — 1週間〜1か月

見積もりを2〜3社から取るのに1〜2週間。契約してから着工までは、石材店の混み具合次第です。

工事そのものは、平地の小さな墓なら1日。山の中にあったり石材の量が多いと2〜3日かかります。

注意したいのが天候です。雨が降ると工事が中断し、日程を組み直すことになる。梅雨時や積雪地域では、再開まで数週間空くこともあります。

閉眼供養 — 日程調整に数週間

住職の都合に合わせるので、こちらの希望日で決められるとは限りません。

工事当日にまとめて行うこともあれば、2週間前など別日になることもあります。

改葬許可証が発行された後に日程を組むのが順序です。許可証を受け取る前に遺骨を取り出すことはできません。

移転先への納骨 — 数日〜数週間

改葬許可証を提出して納骨します。

開眼供養を行う場合は、また日程調整が必要です。

順番を間違えると、やり直しになる

工程には決まった順序があります。特に重要なのが二つ。

移転先が決まらないと、行政手続きに進めない。

受入証明書が必要だからです。「とりあえず役所に行ってみる」は成立しません。

改葬許可証が出る前に、遺骨を取り出せない。

許可証なしで遺骨を移動させると法律違反になります。閉眼供養と工事の日程は、許可証を受け取ってから組んでください。

遠方だと、何回帰ることになるか

ここが遠方在住者にとっての本題です。現地でしかできない工程を抜き出すと、こうなります。

1回目|寺・霊園への申し出と、石材店の見積もり依頼

離檀の申し出は、可能なら直接会って伝えたい場面です。同じ日に墓の現況を確認し、石材店に見てもらうところまで済ませられると効率がいい。

2回目|埋蔵証明の受け取りと、役所での改葬許可申請

郵送申請ができる自治体なら、この回は不要になります。事前に電話で確認しておくと、帰省の回数が一つ減ります。

3回目|閉眼供養への立ち会いと、遺骨の引き取り

ここは省けません。取り出した遺骨をその場で受け取ることになります。

4回目|工事完了の確認と、区画の返還手続き

石材店が写真で報告してくれることも多く、返還手続きが郵送可能なら省略できる場合もあります。

うまく調整すれば2〜3回に圧縮できますが、それぞれの間に日程調整の待ち時間が入るので、期間としては半年近くかかることになります。

飛行機や新幹線の距離だと、交通費と有給休暇も相応にかかる。

現地に動ける親族がいるなら、この回数がほぼゼロになります。ここが遠方在住者にとっての分かれ目です。

いつ始めるといいか

季節については、明確な決まりはありません。ただ現実的な要素はいくつかあります。

梅雨と積雪期は工事が遅れやすい

天候で中断すると、日程の組み直しになります。

お盆と彼岸は、寺も石材店も忙しい

相談や日程調整に時間がかかりがちです。逆に、この時期は親族が集まるので、話し合いを始めるきっかけとしては悪くありません。

年度末は役所が混む

改葬許可の発行が遅れるほどではありませんが、窓口の待ち時間は長くなります。

親族が集まるお盆や年末年始に話を始めて、実際の工事は春や秋に、という流れが自然かもしれません。

我が家の場合

うちは、まだ最初の段階で止まっています。話は出ているのに進まない理由は、移転先が決まっていないからです。

墓じまいをするなら、いま関わっている親族自身が将来どこに入るのかも決めることになる。そこが決まらないと移転先も決まらず、移転先が決まらないと何も始まらない。

記事を書いていて改めて思うのは、時間がかかっているのは手続きのせいではないということです。役所は数日で許可を出してくれる。工事も1日で終わる。止まっているのは、その手前の部分です。

そしてこれは、たぶん多くの家庭で同じなのだろうと思います。

墓じまいの期間は、書類と工事だけなら2〜3か月。ただ実際には、家族の合意と移転先の決定にどれだけかかるかで全体が決まります。

だから「いつまでに終わらせる」と逆算するより、まず話を始めることと、移転先の検討に入ること。この二つが動き出せば、あとの工程は思ったより早く進みます。

なお、自治体や事業者によって所要日数は異なります。具体的なスケジュールは、墓のある自治体と石材店にご確認ください。

この記事を書いた人

東京在住。両親の実家がそれぞれ九州と中国地方にあり、二か所のお墓をどうするかという問題に、いま家族として直面しています。専門家ではなく、当事者としてゼロから調べ、家族と話し合いながら進めている過程を記録しています。制度や手続きについては公的機関の情報を確認したうえで掲載していますが、詳細は必ずお住まいの自治体でご確認ください。

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