はじめての方へ|墓じまいの全体の流れはこちら

墓じまいの流れ|何から始めて、どこで終わるのか全体像をまとめました

墓じまいについて調べ始めると、改葬許可、埋蔵証明、閉眼供養、離檀と、聞き慣れない言葉が次々に出てきます。

ひとつずつ調べているうちに、全体としてどういう順番で進むのかが分からなくなる。私自身がまさにそうでした。

なので、この記事では細かい説明はいったん脇に置いて、最初から最後までの流れだけを一本の線で並べます。

各工程の詳しい話は個別の記事に書いているので、気になるところから読んでもらえればと思います。
目次

全体は7つの段階で進む

ざっくり並べると、こうなります。

  1. 家族・親族で話し合う
  2. 遺骨の数と墓の状況を確認する
  3. 移転先を決める
  4. 寺・霊園に申し出る
  5. 改葬許可を取る
  6. 閉眼供養をして、遺骨を取り出し、墓を撤去する
  7. 新しい場所に納骨する

書類と工事だけなら2〜3か月。ただ実際には1と3に時間がかかるので、半年くらい見ておくほうが現実的です。

1. 最初にやるのは、手続きではなく話し合い

いきなり役所や業者に連絡したくなるところですが、最初は家族です。

誰が主体になって進めるのか、費用をどう分けるのか、そもそもやるかどうか。ここが固まらないまま動くと、後で「勝手に進めた」と言われます。

墓じまいのトラブルで一番多いのが、この親族への事後報告なんですよね。

決めてから伝えるのではなく、決める前に相談する。順番だけ守れば、たいていの話はこじれません。

2. 何柱入っているかを確かめる

意外と飛ばされがちですが、ここを先にやっておくと後が楽です。

遺骨の数によって、改葬許可の申請書の枚数が変わる自治体があります。永代供養は一柱いくらの料金なので、移転先の費用も変わる。

数が分からないままだと、書類も見積もりも決まらないわけです。

過去帳や墓誌を見る、墓地の管理者に聞く、事情を知っている親族に確認する。古い墓だと正確な数は開けるまで分からないこともありますが、目安だけでも掴んでおきたいところです。

3. 移転先を決める|ここが実質のスタートライン

改葬許可の申請には、移転先が発行する受入証明書が必要です。

つまり行き先が決まらないと、手続きが一歩も進まない。

選択肢は、永代供養(合祀・集合・個別)、樹木葬、納骨堂、海洋散骨、手元供養あたり。費用だけでなく、後から取り出せるかどうか、誰がお参りに行くのかも含めて考えることになります。

多くの家庭が止まるのは、この段階だと思います。うちもそうです。

4. 寺・霊園に申し出る

移転先の目処がついたら、いまの墓地の管理者に墓じまいの意向を伝えます。寺院墓地なら、これが実質的な離檀の申し出になる。

金額の話から入らず、まず事情を説明して相談の形で。長い付き合いを終える話なので、できれば直接会って伝えたほうがいいです。

このとき、改葬許可の申請書にある埋蔵証明の欄に署名をお願いすることになります。

指定の石材店があるかどうかも、ここで聞いておくと業者選びの手間が省けます。

5. 改葬許可を取る

申請先は、自分の住所地ではなく墓のある市区町村です。ここは間違えやすいので注意してください。

必要なのは、改葬許可申請書、埋蔵証明、受入証明書の3点が基本。ただ書類の呼び名も、申請書の枚数も、郵送できるかどうかも、自治体によってバラバラです。

書類が揃っていれば、許可証は即日から数週間で出ます。全工程の中ではむしろ早い部分なので、ここはあまり心配しなくていいと思います。

6. 閉眼供養、取り出し、撤去

許可証を受け取ってから、ようやく現地での作業に入ります。許可証なしで遺骨を動かすことはできないので、日程は必ずその後に組んでください。

まず閉眼供養で墓石から魂を抜き、石材店がカロートを開けて遺骨を取り出す。そのあと墓石を解体・撤去して、区画を更地に戻し、管理者に返還します。

工事自体は1日から数日で終わりますが、雨が続くと中断することもあります。

費用はこの段階でまとめて発生します。撤去工事は1平方メートルあたり10万〜15万円、閉眼供養のお布施が3万〜5万円、取り出しが3万〜5万円くらいが目安。

7. 新しい場所に納骨して、終わり

移転先に改葬許可証を提出して納骨します。新しいお墓なら開眼供養を行うこともあります。

これで墓じまいは完了です。

遠方に住んでいる場合

実家の墓が遠い場合、現地でしかできない工程がネックになります。寺への申し出、閉眼供養の立ち会い、遺骨の受け取りあたりですね。

うまくまとめても2〜3回は帰ることになる計算です。現地に動ける親族がいれば、その回数はほぼゼロにできる。ここが遠方在住者にとっての大きな分かれ目になります。

順番を間違えないために

流れの中で、崩すと手戻りになる順番が二つあります。

移転先が決まる前に役所へ行っても、受入証明書がないので申請できない。許可証が出る前に遺骨を取り出すことはできない。

この二つだけ守っておけば、大きな失敗はまず起きません。

逆に言えば、それ以外の順番はある程度入れ替えがきく、ということでもあります。

我が家の場合

うちはいま、流れで言うと1と3の間を行ったり来たりしている状態です。墓じまいをする方向で話は出ている。でも移転先が決まらない。

移転先を決めるには、関わる親族自身が将来どこに入るのかを決める必要があって、そこで止まっています。

こうして全体を並べてみると、止まっている場所がはっきり見えるのは悪くないなと思いました。書類や工事の段階まで行けば、あとは淡々と進む。難しいのは、その手前だけなんですよね。

墓じまいの流れは、手続きとしては単純です。家族で話して、行き先を決めて、許可を取って、閉じて、移す。時間がかかるのは書類ではなく、最初の二つ。

どこで止まっているのかが分かれば、次に何をすればいいかも見えてきます。

なお、必要書類や手続きの細部は自治体によって異なります。実際に進める際は、墓のある市区町村にご確認ください。

この記事を書いた人

東京在住。両親の実家がそれぞれ九州と中国地方にあり、二か所のお墓をどうするかという問題に、いま家族として直面しています。専門家ではなく、当事者としてゼロから調べ、家族と話し合いながら進めている過程を記録しています。制度や手続きについては公的機関の情報を確認したうえで掲載していますが、詳細は必ずお住まいの自治体でご確認ください。

目次